交感神経切除手術

多汗症の原因は、交感神経が過敏に作用してしまうことだと何度も言ってきましたが、
これは交感神経の働きさえを抑えれば、多汗症は軽減すると言うことでもあるのです。

そこで新しく生まれた治療方法が、交感神経切除手術で、この手術によって、
手足の多汗症に効果を発揮しますが、
逆に言っておくと、それ以外の多汗症にはあまり効果はありません。

しかし、交感神経をそのまま取り除いてしまいますので、
手足の多汗症の場合は完治が望めますし、手掌の多汗症の場合、
手術は30分程度の短時間で終了し、入院も必要としない場合が多いようです。

全身麻酔を行い、わきの下に4～5mmの穴を開け、内視鏡下で手術を進行していきますが、
手術後の傷跡もほとんど目立つことはありません。

足の裏の多汗症のケースですと、腰部交感神経を切除しますね。

ここまでを聞いていると、とても優れた素晴らしい手術方法のように
感じられるかもしれませんが、忘れてはいけない頭の片隅においておくべき、
重要な問題点がひとつあります。

それは、手術後に手足の発汗が抑えられた代わりに、
今まではそれほどまで気にならなかった部位の発汗が増量してしまう
という現象が起こることで、これを代償性発汗と言います。

絶対に起こる現象ではありませんが、交感神経切除手術を
行った場合高い頻度でみられるようです。

わきの下の多汗症に悩まされている人には、超音波手術があり、
この手術はワキガ治療でも行われているもので、わきの下の汗腺を除去します。

しかしながら、超音波手術についても一点補足させていただきます。
実は、汗腺にはエクリン腺とアポクリン腺があるのです。

そして、エクリン腺は除去しても一定のラインまで再生することがありますので、
多汗症で超音波手術をする場合には、そのことも知っておく必要があります。

アポクリン腺については超音波手術で一度除去されると再生はしませんので、
ワキガの完治に繋がります。

ですから、超音波手術においてアポクリン腺のことについては安心してよいのです。